テラフォーマーズ 5 (ヤングジャンプコミックス)
作:貴家悠 画:橘賢一
現在の最新巻である5巻の感想です。
凄く切なくて泣きそうになりました。
この巻の主役は何といってもドイツの幹部乗組員アドルフ・ラインハルトです。
表紙にもなっていますね。
マーズ・ランキング2位という、対テラフォーマー戦において最強クラスの実力を持つ彼の戦闘、そして秘められた過去が描かれます。
前巻で、アドルフの妻が結婚指輪を外して男と会う場面がありましたが・・・
アドルフは妻が浮気していることを知っていたんですね。
そしてこのシーン。
貴家悠、橘賢一「テラフォーマーズ」5巻 P16、17 |
このセリフが胸に突き刺さりました。
ただの実験モルモットだった自分を人間にしてくれた。
掛け替えのない幸せな時間と思い出をくれた。
だがそんな妻が産んだ子は、自分の子ではなかった・・・
アドルフの苦悩はどれほどのものだったのでしょうか。
想像するだけで胸が苦しくなりますね。
そして戦闘の最中そんな忌まわしい出来事を思い出してしまったアドルフは、300体のテラフォーマーの大群を前に遂に力尽き、死を覚悟します。
最後に出てきた言葉が
「利用されるだけの人生だったなぁ・・・」
って悲しすぎるよアドルフさん・・・
しかしそこに5班(ドイツ)の乗組員達が現れ、班長であるアドルフの身代わりになろうとしますが、そんな乗組員達の姿も虚しく、アドルフの心臓は不整脈を起こし今にも息絶えそうに・・・
意識が遠のいていく中、アドルフの中には遠い昔に失ったはずの”ある感情”が芽生えつつありました。
”悔しい”――――!
そう、アドルフは悔しかった。自分の運命も、最愛の妻の浮気も、仲間を救えないことも。
そしてその想いが力となり、奇跡を起こします。
なんと自分の電気鰻の能力でA.E.D(電気ショック除細動器)と同じこと(不整脈を起こした心臓を停止させること)をしたんです。
貴家悠、橘賢一「テラフォーマーズ」5巻 P37 |
「それは持って生まれた筈の感情だった。アドルフの心臓を叩いたのは遠い昔にメスで切り取られた”その感情”だった。」
いやー、地の文が良すぎませんか?(笑)
この漫画のこういう文章と、その後のアツい展開にはいつも興奮させられます。
そして”悔しい”という感情に突き動かされ、再び立ち上がったアドルフがテラフォーマーに対し宣戦布告するこのシーンが、この巻で一番カッコよかった!!
貴家悠、橘賢一「テラフォーマーズ」5巻 P40 |
この後の戦いでアドルフは死んでしまいますが、本当にカッコ良かった。
好きなキャラが死ぬのは悲しいですが、まあこの漫画だし仕方ないですね(笑)
そして場面は日米合同第一班の戦闘へと移ります。
30体程のテラフォーマーに囲まれる小吉たちでしたが、目の前に進み出たのは、バグズ手術を受けた二体のテラフォーマーのみ。
一方のベースは黒骾象虫。もう一方のベースは・・・なんと”蜘蛛糸蚕蛾”。
そう、小吉の幼馴染アキちゃんの手術のベースになっていたあの蜘蛛糸蚕蛾です。
部下のマルコスたちには多くを語りませんが、明らかに小吉は怒っていました。
貴家悠、橘賢一「テラフォーマーズ」5巻 P132 |
小吉vs蜘蛛 糸蚕蛾
鬼塚慶次vs黒骾象虫
マルコス&その他vsテラフォーマー30匹
のマッチアップとなり、次巻で詳しく描かれそうです。
パンチで黒骾象虫の甲皮にヒビを入れた鬼塚慶次の能力が気になりますね。
触覚らしきものがあるところからして昆虫のようにも思えますが、見た目は何となく貝のようでもあるし・・・
暗いところで目が見えるところからして夜行性の昆虫でしょうか?
6巻が楽しみです!
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